ユウシのユムグチ

奄美大島出身の蛇三線ロックバンド ティダ ボーカル担当:雄志のブログ

先生にもなりたかったんです。

今日は暖かかったですね!

3月中旬頃の雰囲気じゃなかったですか??

この時期になると、中学を卒業して高校入学をした頃や
高校を卒業して、上京した頃を思い出します。

もう上京して11回目の春。

時間は流れましたね…


11年前の今頃は自動車学校とかに通ってた頃で
残り少ない奄美生活を満喫してました。

友達がたくさんいて自動車学校があまりに楽しかったので
授業が終わってもしばらく帰らないで
みんなで喋って遊んでたな〜

そして3月になると、地元を離れてゆく友達が増えてゆく頃にもなるので
週に2回以上は空港にみんなで行って見送りをしてましたね。

本当に懐かしいです。


先生の移動とか、
転校とかも、この時期にはつきものでしたね。


先日、うちの次男坊が(小2)転校する友達に手紙を書いて持って行かないといけないと
夕食を食べてる時に話し出しました。

とにかく何をやるにしても遅くて時間がかかる子なので

唄者 『眠くなる前にさっさと書きなさい』と話したら

次男 『何を書いていいか分からない』と返してきました。

唄者 『はぁ?友達が転校するのに何も思わないの?思った事を書くだけだよ』と話したら

次男 『何を書いていいか分からない』と再び返してきたのです。

この次男坊は少しシャイな一面があるせいか
作文系になると、さっぱりできません。

と言うか、自分で書く気が無いのです(笑)

いい機会だから、この際作文の書き方を教えようと思いました。


そこから、唄者は物申す先生と化しました。

唄者 『本当に何も思わないのか?』

次男 『分からない』

唄者 『一緒に遊んだり、喋った事は一度も無いの?』

次男 『ある』

唄者 『それなら思いでもあるだろっ??』

次男 『うん』

唄者 『それじゃ後は簡単、思いでを書くだけでしょ?』

次男 『分からない』


相当意味の分からないやりとりが続き、怒りがこみ上げてきましたが
これで怒ると益々やる気を無くすと思ったので、
なんとか我慢する事にしました。

唄者 『それじゃ一枚紙を持って来い』

次男 『…』

唄者 『早く持って来い』

次男 『うん』(動かず)

唄者 『絶対に今日は自分の力で、自分の言葉で書けよ!』

次男 『…分からない』(投げやり気味)


こいつはこういう時、優しい孫思いの祖母に何度も助けられてます。

今回もその技を使おうとしているのが丸見え。


(そうはさせまい…)


そこから授業が始まりました。


唄者 『本当に思いでも無いのか?』

次男 『それはある』

唄者 『じゃあ早く書け』

次男 『分からない…』

ここでギアが瀬古からトップに入りました。


しかし、グッと我慢。


唄者 『それじゃ、この一枚の紙に思いでを一つずつ箇条書きに書いて』

次男 『…』

唄者 『早く!』

やっと次男はしぶしぶ鉛筆を持って紙に書き初めました。

鉄棒をやった事、鉄棒でグライダーって技を教わった事等々、
箇条書きに書き始めました。

思いでしか書かないので

唄者 『離ればなれになる手紙なんだから、最後に書きたい言葉はないの?』

次男 『また会いたいよ』

唄者 『そうそう!それだよ!後は簡単!文で繋ぐだけ!』

次男 『ふ〜ん』

唄者 『書いた物に順番をつけて最後は涙が出るようにまとめて…』

次男 『分かった!後は自分でやる』

今まで必死こいて教えたのに
突然、自分でやる宣言。



待つこと数分…



次男 『終わった!』


あまりに早かったので
また適当にパパっと書いたんだろうな〜と思いながら
書き上げた物を読みました。


すると…


書く事は分かっていたはずなのに…


読む前に想像していたはずなのに…


読んだ瞬間、ポロっとナダがこぼれ落ちそうになりました。



あまりに純粋な言葉の綴りに

本当に感動してしまいました。

俺が転校するわけではないのに(笑)


唄者 『おおっ!いいじゃないかい!これで友達も感動して泣くよ』

次男 『って言うか、ちょっと泣きそうになってない?』

唄者 『お、おう!感動して泣きそうになっただけよ!』


あんなに文を書くことを嫌がってた次男坊が
最後は自分で書くと言い
そして、予想以上に良い手紙を書き上げた事が
すごく嬉しくなりました。

大人の手紙やメールや文章は
決まりきった言葉の応酬で
素直な感情よりも
相手に失礼の無いようにとか、
形式ぶった事ばかりが多く
それをパソコンや携帯なんかで打とうもんなら
言いたい事は分かっても
そこに純粋な感情は感じられません。

子供のちょっと不器用な手書きの字と
ちょっと言葉使いがおかしくても
純粋な気持ちを書きつづったわずか6行の文を見た時、
何か懐かしい気持ちと
すごく新鮮な気持ちの両方を同時に味わいました。

教えたつもりが
教わった一日でした。

日々学ぶ物がたくさんありますね。

これからも頑張ります!


写真はあの伝説の
『ごま太郎』と
璃澄のコンビです。

完。